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Road Movie vol.2 [旅]

レアル・デ・カトルセはプエブロマヒコ、魔法の村。でもこの小さな村の一番の特殊性はペヨーテ。先住民族のウィチョル族が宗教的儀式で用いたサボテンが村の麓に自生していてるのだ。来てみて実感したけどここの客層っていわゆる観光客と全然違うもの。放浪を身にまとった若者とか60年代からずっと現役の先輩とか。

2日目は早朝から昨日の馬子さんガイドとぺ狩りに出た。
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ひっそりと静かな日曜の村を後に、馬の背に揺られて自生地を目指す。
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急な石畳の坂をひたすら下る。深い谷筋に沿って点在する廃坑跡。半ば崩れた石や煉瓦の建物は中世の古城みたいだ。
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登り始めた陽が山の端を赤く染めていた。
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2時間掛けて完全に山を降りると、まばらに灌木が茂る石ころだらけの荒れ野が広がっている。
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この先に狩場があるらしい。
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山肌を舐めるように流れる霧、低い陽の光。
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ぺは置いといてこのランドスケープそのものが何だか心に響くものがあるな。

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ブツはこんな。効き出すのに2時間、効果は4時間くらいとのこと。

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帰り道の途中からキマリだした。光がクリアに見えてくる気がするのは陽が高くなったせいかもしれない。
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蹄が石畳を叩く硬い音が頭の中に響く。一定のリズムでカツン、カツン…歩を早めると力強く…他にあまり音がない環境なのでストレートに。

特に内証的にはならない。むしろ意識は外に向いて目も耳も敏感だ。村につく頃にピークを迎えた。
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馬を降りると、疲労感はないのにとりあえず横になりたくてしょうがない。すぐ近くの宿に戻りベッドに倒れこむ。目を閉じると物の輪郭の残像が青白く光を放つラインに見えた。「あぁ、これがそうなのかなぁ」とぼんやり思う。気分は悪くない。

時間の感覚は間延びして例えば5分が30分位に感じられるというか。イエルバと似た感じ。この現象は単位時間当たりの脳の情報処理量がものすごく上がってるからなんじゃないか、と捉えてるけど。

少し休んでから外を歩いてみた。
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音は耳を通して「聞こえる」というより脳に直接「書き込まれる」感じ。見るものも同じように「焼き付けられる」。気持ちは端的に言えばラブ・アンド・ピース(笑)。
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体のコントロールや判断能力は変わらないけど、意識して何かをやってないと心が飛んでっちゃいそうな、「あ、今どっか行っちゃってたヤバいヤバい」みたいな。

感情は穏やかに凪いでいるけれど官能性は高まっている。音も景色も起こっている事柄も全てが、瞬間瞬間の密度が。
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この村に引き寄せられる人たちが何に導かれて来るのか、すごい浅いレベルで分かったような気がした。「あと20年若ければ…」って思った。

まぁそんなこんなで面白かったんだがやっぱり帰らなきゃならないし、昼の2時には村を出る。オレは運転ムリ、M頼み。再びトンネルを抜け元の世界へと還っていく。この「通り抜け」感はすごくよくできてるな。

長い長い帰り道、 ほとんどずっといい感じが続いてた。
色んな話をした。それぞれのこと、感じてること、音楽のこと、仕事のこと、下らないこと、まぁ色んなこと。話ができるってのはいいことだ。
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日本を遠く離れ地球の裏側にいること、そしてもうすぐここを去るということ、窓の外を流れる風景、カーラジオからのラテンミュージック、眩しい光、乾いた風の熱さ。全ての要素があんまりハマり過ぎで、冷静で客観的な部分はキープしてるのに「マジで映画の中に居るみたいだぜ!」って馬鹿げた想いも止まらない。


オレのメヒコ映画のラストシーンは底抜けハッピーで、泣きの要素は全然なかった。
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狭い車の中で気持ちはずっと外に開かれて世界と共鳴していた。同じしるしを刻んだ心の手と手は繋がっていたな。
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Road Movie vol.1 [旅]

帰国直前の週末、以前Sから話を聞いて以来行きたかったReal de Catorceに行くことにした。ここがまた遠い。前回のヒリトラで長時間ドライブ懲りてたんけど、Mが行くかもと言っていたので促すようにして便乗。メヒコで最後の旅になる。

朝6時、まだ暗いうちに街を出た。レオンへの45号線をシラオで右に折れてサン・ルイス・ポトシに向かう。高架を降りるといきなり難所。工事中で路面状態最悪。そもそもメヒコの道は整備されてると言い難いところを雨季で道路が冠水、てか川。浸水して動かなくなったらシャレになんねーけどなんとか渡りきる。その先もしばらく工事区間を経て峠に入った頃ようやく夜が明けた。

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さして険しくもない山をを抜けると延々と平地。地平線に向かってうんざりするほど真っ直ぐ走る道。そのまた遥かかなたに山を望む風景ってホント「外・国!」今更だけど。

ちょうど全行程の半分くらい来たところで、おそらく事故渋滞でピクリとも進まなくなってしまった。Googleで見ると恐ろしいことに70キロとか続いてる。しかもその先にも大渋滞の表示。少し戻れば迂回してカトルセまで行けるみたいなので引き返すことにした。

迂回[名](スル)回り道をすること。遠回りをすること。
まさにその通り。地図上の道が実際通ってみるとすっげ細い農道だったり、未舗装の砂利道だったり。スピードは出せないし距離は本来のルートより長い。GPSでは近くまで来てるんだがなかなか手ごわい。
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でもね、時間さえかければ最終的にはたどり着くんです。
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カトルセに向かう最後の標識を折れるとあとは一本道。延々続く上り勾配の最終地点の展望台でちょっと車を駐めてみる。
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なんだろう…これより迫力ある風景はザラにあると思うけどなんか凄い。ゆるく弧を描く山並みとそれに囲まれが盆地。荒々しいというほどのことは無いけど簡単には人を寄せ付けない。孤立を強いられる感じ。

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村の入り口はトンネル。対面通行不可能なので入りと出を順番待ち。
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掘りっぱなしの隧道は結構長い。この暗闇があちらとこちらの世界を隔ててる感じ。国境の長いトンネルを抜けるとそこはレアル・ド・カトルセだった…て。到着はほとんど4時。10時間掛かりました。お疲れM。

車を置いてまずは宿探し。ここもすごい僻地の割にやっぱ大した人出。メキシコ人てかなりのお出かけ好きだと思う。
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メインストリート沿いにある宿を片っ端から当たるも空き部屋無し。
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割とどん詰まりまで行ったら雑貨屋の2階に貸し間を見つけた。

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味も素っ気も無い安宿のどっしよもねえ部屋。しかしこれもまた一興。

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荷物下ろして腹ごしらえ。朝から何も食って無いしビールんめー。

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落ち着いたらちょっと観光など。この村じゃ馬での観光がデフォ。馬子ガイドさんにぺが食いたい旨を伝えるも、その場所は遠くて往復4.5時間かかるので今日は無理と断られる。代わりに山の上の銀山を勧められて行ってみた。

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Pueblo Fantasma(ゴーストタウン)と呼ばれる廃坑跡。あそこだと指差された山の上、あんなところまで?てくらいある。
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40分くらい登ったかな。前方に見えてきたのは中々いい感じの廃墟。
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この雰囲気は捨てがたい。
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雲間から夕刻の光が筋をなして、よい「神様タイプ」。

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荒涼とした山肌を吹き上がる風は少し肌寒いけど、それがまたハマってる。
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周りに他の観光客とか居る割には世界観に浸れる感じがあったな。夕方到着は案外正解だったかも。

下りは谷に広がる小さな村を一望。
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いいよココ。うん、カッコイイ。

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ちょうど陽が沈むのに合わせるように村に着いた。この日偶然やっていた野外JAZZ FESのライブが頃合いよく始まる。
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会場は宿の目の前、なおかつ無料。ビール片手に音楽に身を任せていると長旅の疲れが(運転は全くしてないけど)自然に解けていく。
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リラックスできるのは音とアルコールのせいばかりではなくて、この村に漂う空気感によるところも大きい。他の場所とは何かが違う。やっぱりある意味ヒッピー文化の聖地なんだな…と思う。
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カトルセは半ば諦めてたけど、来てよかった。
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Pueblo Mágico [旅]

さてヒリトラ。イラプアトから386km。往路は道を間違えたので401kmも走ってしまったがいずれにせよ遠い。
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どのくらい遠いかと言えば北新宿から利賀村(中央道・長野道経由北アルプス越え364km)より遠いのだ。びつくり。予め知ってたらくじけたかもってくらい遠い。
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Google予測の6時間前後てのは結構当たってた。高速でいくらとばして時間稼いでも全行程のほぼ半分が山。峠に入ってからくねくね道を50km/h位で延々3時間以上、なんかの罰ゲームじゃね?て言いたくなるぐらい。
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ようやく着いた村は想像以上に小さい。
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こんな小っせえ村に宿が20軒以上あって、それが連日埋まってるのだからまったくJames様々だ。
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中でも何度もメールして全然空きが無かったPosada El CastilloはJamesゆかりの家らしい(復習)。
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それを知るとやっぱり泊まってみたかったな。

村のセントロにはこじんまりした教会と広場。
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周りにはカフェもレストランもコンビニだってある。
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この規模の集落にしては立派なもん。
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今回の宿は広場から徒歩2分と好立地。シャワー浴びたらまずはビール!!!
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広場のすぐ横の店。
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これが捨てたもんじゃないイキフンなんだ。
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この手の田舎風インテリアはメヒコの大得意分野、お家芸て感じ。
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queso flameado(溶かしチーズ)をつまみにINDIOを2本。
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超長時間ドライブ+エデン探訪の疲れを心地よくリリース。
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車を降りて酒が飲めるしあわせぷっはー。

夕暮れ時の村をひと回り。
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本当に小さい。夕飯処をチェックしつつぷらぷら歩いて一旦宿に戻る。
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蚊が結構多いんでGパン長袖に着替えて今度は夕飯に。宿が近いとこういことがめんどくさくなくていいな。さっきの店と同じ通りのレストランへ。
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赤のグラスと生ハムのブルスケッタとカプレーゼ。ホントは郷土色豊かなもんでも食えばいいんだけど、飯メインの旅じゃないんで今回はこだわり無し。
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ひとしきりくつろぎ、昼間のエデンを反芻。
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旅先のこういう時間はいいな。

食事のあとは夜散歩。
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弱ーい雨が路面を濡らして石畳が柔らかく光る。
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広場を離れると人通りもまばら。
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静かな村だ。
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そうこうしてるとすぐ10時過ぎ。疲れたし明日もあるしで11時には就寝。
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広場では週末のど自慢大会やってたよ。

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翌朝は7時起床。走りに出るか?と考えたけど、急な坂ばっかなのでやめた。
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エデン開園9時までは市場を冷やかしつつ、朝飯とも言えない程度の買い食い。
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この地獄の大鍋でぐらぐら煮た豚肉を、ホンの味見程度売ってもらいました。
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tripaというようだけど、まぁモツを含む色んな部分のごった煮だな。あとタマレ。

村は尾根にあって、エデンは谷一つ挟んだ向かいの山の中ほど。
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20~30分程度なので散歩がてら歩く。谷へ下りる道はすごい急勾配。この坂を歩いて上ってくる地元の人が結構いて、山里暮らしも楽じゃないね。

帰りは別のもう少し緩い坂を、こいつらをお供に歩きました。
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はなぐま?も見れたしいがっだ。
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こんな感じの鄙びた村々がPueblos Mágicos
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日帰りとか1泊でふらっと訪ねるのにはいい感じのところだけど、エデンとセットじゃなきゃ片道6時間は絶対来ないな。
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緑のエデン 其ノ弐 [旅]

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日曜も朝から夢の庭を訪ねる。早朝とは言えない9時開園なので門の前には20人ほどの行列。この程度なら中で込み合うことも無いだろう。
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朝の太陽は少し低い位置から射して濃い影を作る。物の輪郭がくっきりして、正面の門は要塞のように背後の森から浮かび上がって見えた。別名Castillo Surrealista (シュルレアリスト城)も納得。

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できれば人少なめな状態で思う存分浸りたい。気持ち足早に先に進む。昨日も感じたけどこの場所の空気は水分量がすごい。
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潤いなんてものでなく、ほとんど「ずっしり」というぐらいの湿り気を含んでいる。
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土も植物も大量の水を蓄えているはず。
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目を向ける先々にちりばめられた意味ありげな物たち。
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脈絡無さそうに見えてきっと全体を貫く物語での役割があるんだろう。
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幻の園に咲く花々。
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窪地に横たわるのは目と鼻。シュルレアリストは目がお気に入り。

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ひときわ主の執着を感じさせるものは階段。
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昇っては降りる、繰り返される永久運動。
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空へと伸びるどこにも到達しない螺旋。
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ただ緑に対峙する場所

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蝶がゆっくり翅をひろげては閉じて、飛びたつための準備をしていた。ここは蝶の種類が多い。軽やかに空を舞う様子は精霊の化身のようで、目に見えないものを可視化してくれる存在のように思うことがある。
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普段スピリチュアルなものと無縁だし本当の意味では信じてはいない。それでも深い緑や水を帯びた空気に包まれていると、土地の気や精霊の存在を信じたい気持ちも。
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ま、虫ですが。

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水音をたどって谷へ下り川を遡ると滝があった。
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Edward Jamesがこの地を選んだ理由はこれなんじゃないかと思う。幻の楽園を探してこの滝に出会ったら、ここがその場所だと確信しただろう。
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そして始まりの水を称える神殿を築いた。
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旅の前はなるべく最低限の情報しか入れないようにしている。あまり前知識を得ると現場ではその確認にばかり意識がいってしまいそうなので。だから復習はかかせない。見逃しを発見して後悔することもあるけど。
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Edward Jamesは1984年まで生きていたらしい。庭の建設は1949年からと思いのほか最近の話で、亡くなるまで続けていたようだ。
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敷地面積32ha、総工費 $5million。規模も金額も桁違いだが、世界各地の珍物件製作者と基本は同じ「逝っちゃった」スピリット。
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1人のおっさんが地上にエデンの園を作ろうと思い立ち、半生を費やして挑んだ夢の具現とその残滓。
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かっけえなぁ…
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緑のエデン 其ノ壹 [旅]

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その場所の写真を初めて見たのは2年くらい前。Las Pozas。密林に溺れているような、この場所はいったい何なのか?歴史的建造物の廃墟?にしては様式が定まらない独自色の強い造形。
イギリス人のシュルレアリストEdward Jamesが造った庭園跡で、Pueblo MágicoのXilitraという村に有ると知る。

いつか訪ねようと思いつつ、かなり辺鄙な場所なので機会を見計らってた。帰国が迫り一念発起。バスでも行けるがこの際自前で運転して行くことに。朝9時半に出発して午後4時ヒリトラ村到着。遠い…すごい僻地。

[ Las Pozas ⇒ ] 心もとない案内板にしたがって山道を進めば石ころだらけの道には路駐の車列。宿がなかなか取れないので予想はしてたけど、そこそこ人が来る場所みたい。San Juan Parangaricutiroもそうだったけどメヒコで僻地ってのはあまりお出かけの障害にならないらしい。

運よく待つ事無く駐車場を確保。露店が建ち並ぶ小道を下ると立ちふさがるような緑に忽然と現れる楼閣。
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のっけからの異界で足もとには日常をまとった普通の人々。入場はICチップ内臓ブレスレットで想像以上のインテリジェント管理。隣にあるパラレルワールド、現世と地続きのファンタジア。

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門を潜ると水気を含んだ空気が重たく肌に絡みつく。流れの早い川で水にあそぶ子供たち大人たち。
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はるか昔からそこに在るかのような佇まい。
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庭園へのゆるやかな坂の傍には石の蛇が首をもたげ、コンクリートの花が咲く。
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木々の隙間を縫う細い橋は彼岸と此岸のの分岐点。
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次々現れる特異な意匠。庭の主をここまで突き動かしたものは何だったんだろう。
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それぞれの形は深い緑を切り取る額縁、架空の神話の舞台装置。
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いつかどこかに存在していたかもしれない文明の遺跡。主のいない王国は苔の下で静かに過去の夢を見ているけれど、いずれすべて緑に飲み込まれ消えていく…想起されるはかなく美しい物語。
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実際は普通に観光地だし週末ともなれば人も多い。とはいえ山奥の小さな村という立地と庭そのものの際立った存在感、更には濃密な湿り気を帯びた空気がフィルターになって目の前の風景を少し違ったものに見せてくれるというか。
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6時間半かけてでも来たかいはあり。
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西安之旅 -3 [旅]

3日目は城壁から。
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東西4.2キロ、南北2.7キロ、高さ12メートル。煉瓦の壁は西安のシンボル。
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ほぼ完全な形で14世紀の姿を留めているらしい。

外側には壁沿いに細長ーい公園。
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で卓球、中国だからね。

更に外には濠。
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城門からは壁の上に登れます。
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上は一周13.7キロの遊歩道で全域通行可能。
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北の安遠門から貸し自転車に乗って。
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東に進むとすぐに西安駅が見えてくる。
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朝の時間帯は通勤客で大混雑の駅前も、昼過ぎにもなるとさすがに空いている。
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街より少し高いところを、人や車に煩わされずゆっくり走るのは気持ちいい。
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日差しは強いけど風があるので爽やか。青空は見えるし空気はさほど汚れてるふうでもない。

城内・壁付近の建物は一応壁の高さを超えないよう規制があるみたい。
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外側はそれなりに高層化がすすんでる。
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内外でくっきり分かれた都市計画。今後はますます対比が際立っていくんだろうな。


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南の永寧門までちょうど半周廻ったところで下に降りて、すぐ側にある書院門という古い商店街へ。
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落ち着いた佇まいの路地は人通りもまばら。
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名前どおり書道用品の店が多い。
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筆屋さんの店先にかわゆすなゆるキャラ発見。

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ぴーちゃん笛。

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遥かな西域を感じさせる意匠も。

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夕方小腹が空いたので再び回民街へ。
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賑わう西羊市は試してみたくなる小吃だらけ。
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やっぱりこの街は楽しいな。酒が無いのがつくづく惜しい。

おもしろい、と言うか気が付いた点がひとつ。
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モスレム地区から3輪タクシー乗ろうとしても、みんなエリア外には行きたがらない。ホテルまで頼んだら全員に断られた。
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民族間で微妙な棲み分けがあるのかな?

結局ぶらぶら30分くらい歩いて戻りました。
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それはそれでいい観光になったけどね。
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西安之旅 -2 [旅]

2日目はまず兵馬俑。市内から40キロと案外遠いのでタクシー頼む。公共バスで安く行けるようだけど、待ち時間とか考えるとめんどいから。

小一時間で到着。
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敷地は広大で入場門からは緑地公園のような遊歩道を経て展示館に至る。1~3号抗の展示館があって、巨大空間に立像が並んでるのは1号抗。

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2→3→1の順番で見たけどこれは失敗した。2・3は発掘中の展示で全然迫力ない。えー?こんなもん?と甚だ感動の妨げに。
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最初にドガーンと1号見るべきだった。
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第一印象は重要。

なんだかこのコース取り失敗のせいで見学者のマナーの悪さばかりが記憶に残る結果に。どいつもこいつも自撮り棒マジうぜえ。西安まで来てココを外すわけにはいかんだろうけど自分としては1度で充分。


市内に戻る途中に大慈恩寺に寄ってもらう。玄奘三蔵が仏典を納めたとされる寺。この寺の大雁塔はおいらには西安の象徴的なイメージ。多分平山郁夫の絵とNHKシルクロードによる刷り込み。

かっこいいじゃん。
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いや、ホントいいよこの塔。寺の門入って真正面に聳えてるので、スッと視界に入ってくる。
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第一印象はやっぱり重要。

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手前にある堂を回りこんで麓に立つ。
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プロポーションは好いし煉瓦積みのディテールも凝ってる。古い写真を見ると結構傷んでいるので今の姿は補修されてるのだろうけど。
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丝绸之路のろまんちーだねぇ。

塔の最上階からは碁盤目状の街の成り立ちがよくわかる。
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明代に築かれた現在の城壁唐の皇帝居城+アルファを囲っているだけで、かつての都は更に大きく広がっていたと知る。(復習)
大慈恩寺は明代城壁から南に4キロくらい離れているのだけど、建立当時はここも城内。現存していない長安の城壁はさらに外側にあった模様。

今、この大慈恩寺周辺は外資の高級ホテル、外国人や富裕層向けの住宅、それらを当て込んだ商業施設等が建ち並ぶ洒落乙エリア。
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中国のローカル色なんか皆無で今風租界といった様子。

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現代に続く古代都市は時代時代でどんどん姿を変えていくんだね。
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西安之旅 -1 [旅]

聖週間からいきなり黄金。その間特記する程の事もないからいいや。GWに合わせて一時帰国したんで西安に行きました。大陸久しぶり、09年の北京以来。

羽田国際線初めて使ったけど超便利!しかし直行便ではなくて北京乗換え。
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前回来たときはオリンピック直後できれいだったけど、空きテナントが目立つし、くたびれた感が否めない首都機場。

着きました。
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看板でかいです。

市内へ向かう沿道には高層住宅群。
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これがまたスゲーたくさんあって、ここに全部人が住んでんのか…と思うとなんかちょっと怖い。
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どんだけ人居んだよ。

西安は中国でも珍しい、城壁とその外濠が残る街。
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城市という単語がしっくりくる。
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北門から市内に入り、バスを降りたらホテルまで歩いてみる。
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主要な道路はきっちり東西南北に走っているので分かりやすいし、歩道も広い。


今回の泊まりは大奮発して1人じゃ手が出せない高級物件。
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1953年に省の迎賓館として建てられた人民大厦を改装した仏系ホテル。
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外観はちょっと役所っぽいけど内装は上品なクラシックテイスト。
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こういう贅沢もできるうちにしとけー。
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ラウンジで優雅にダータのカクテルタイムを楽しんだ後、夕食は回民街と呼ばれるモスレム地区へ。
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狭い路地はまっすぐ歩くのが難しいほどの人出。台湾の夜市よりすごいかも。でもほら、最近夜の人込みあんまり嫌いじゃないんで平気、むしろ活気があってよし。
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エキゾチックなスパイスが香る道の両側にはずらーっと屋台が並んで、その後ろにも食べ物関係の店がひしめいていて、どこに入っていいのか迷う。この雰囲気は正月の川崎大師参道。違いはこっちはコレが日常だってこと。
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ひとまず羊の串焼きを立食い。1本10元=180円は結構な観光地値段。日本人的には安いけどね。

賑わってる店に目星をつけて、羊の小籠包、羊肉泡饃、凉皮など代表的回族料理をオーダー。
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香辛料がきいてて、もーーーーこりゃビールだろ!!!て味なんだけどモスレム街で酒類の提供一切なし!マジ泣き。

食い終わったら更に街ブラ。
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見るもの珍しく、ちょっと小じゃれたカフェやギフトショップなんかもあり、観光地然とはしてるけど中々楽しい回民街。
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土地の人はなんてーか、自分の属してる常識が通じるし、治安の心配も無用。


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第一印象かなり良く初日終了。
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聖週間 -3 [旅]

3日目、朝8時に出発して目指すはAntigua Iglesia de San Juan Parangaricutiro。
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1943年のParicutin火山の噴火で町がまるごと溶岩に飲み込まれた際に、半壊しつつも残った教会の遺構。ネットで写真を見つけて以来、機会があれば訪れたいと思っていた場所。ぐるぐる見てもかなりの田舎つーか周り何ーもない。

Sergioさんの話じゃ一応公共交通機関でも行けなくはないらしいが、んーーーどうでしょう。時間の限られた旅行者には難しいんでないかい?連れてってもらえてホント助かった。

道すがら遺跡にまつわる話を聞く。噴火の際に教会の司祭は、神が護って下さるとその場を離れることを拒んだ。結局は村人に連れられ強制退去するも教会が全壊を免れたのは神による奇跡とされている…という内容だったと思う。自分のスペイン語能力だと100パーセントの自信はないけど。
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遺跡の入口の村Angahuanに着くと、車を降りてその先は徒歩か馬。そりゃー馬っこだべさ。営業熱心な馬子さんたちがわらわら寄って来ます。
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ゆっくり並足、人が歩くよりはちょっと速いくらいのスピードで案外整備された遊歩道を30分くらい。
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黒い溶岩に囲まれた広場に予想外に多くの出店が並んで、いっぱしの観光地だなこりゃ。セマナサンタだからなのかも知れないけどこんな僻地にスンゲー人出。老若男女はもとより、赤ん坊やらペットのパグ公まで訪れる有様。
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写真じゃ分からん実際の風景、現地に足を運んだればこそ!と己を鼓舞。

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せっかくだから極力人込みを避けたフレーミングで廃テイスト写真に挑戦。
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ブツ自体はかっけえんで捏造とは言い切れまい。
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バロックのファサードは2本の鐘楼の片方が倒壊、1本は完全な姿を留めている。
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身楼は殆ど埋没、最奥の祭壇が残ったあたりも奇跡と呼ばれる所以か。
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イースターだし、近隣の人たちが縁起かつぎにお参りに来てるのかもね。

想像してたような秘境の廃墟ではなかったけどやっぱり行ってよかった。
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例えばここが日本からの長旅の目的地となりえるかと聞かれりゃNoだろうけど、こういうめんどくさい場所を訪ねられるのも、この国に住んでればこそ。
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聖週間 -2 [旅]

旺盛に更新するようなことを言いつつ前回エントリーからすでに2ヶ月近い日が過ぎてます。やっぱデスクトップねえと写真の加工とかが面倒でついつい遠ざかるな。いまさらセマナサンタじゃねえだろ、と思いつつも続ける。

2日目、旅先で目覚めてまずする事は街ラン。知らない街を観光目線で走るのは楽しい。モレリアの街並みはコロニアル調でかなり整ってるが、殿さまのリクエストに応えて敢えての荒れた街並み探し。
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こーゆ場合コース取りが重要。街を東西に横断するメインストリートを避けて、直角に真南方面に向かってみる。何となくそっちの方が外れっぽい気がしたんで。

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ちょっと大通りを選びすぎたかも、あんま荒れてないなぁ。朝の眩しい光だとむしろ小綺麗にすら見えて、なんか違う。
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こんなんじゃねえんだよメヒコの「普通」の街並みは。「やさぐれ」ならもっとこう、全っ然違うんだよ。マジなやさぐれエリアは中々足踏み入れ難いが。

住宅地の通りに移動遊園地が来てた。
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陽焼けて褪せた極彩色、中古感溢れる質感、自分自身の幼少期原体験としては特に何もないのに郷愁を感じるのはなんでだろう。
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宿に戻って朝食。このホテルの朝飯時間は12時までなんで、多少遅くなってもゆっくりできるのはとてもよい。
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サービスの人たちがイマイチ反応鈍いんだけど悪気はないのは伝わってくる。のんびりした人たちなんだね。

メシが済んだら出かけます。昨日一通り見てまわったので、今日は昼間の水道橋を眺めつつグアダルペの聖母寺院を訪れる。
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街は大きすぎず小さすぎず、歩いてまわるのにちょうどいいサイズ。春の陽を受けてゆっくり歩く。
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水道橋脇には広めの緑地公園、その一角に現代美術館があったので立ち寄ってみた。建物が「洋館」て感じで好ましい。
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洋館の定義てのが不明ではあるけど、基本的に欧米文化圏ではない国に立地してないと「洋館」ではないと思う。長屋とかビルより一戸建てのイメージ。ラテンアメリカにあってこの建物は力の抜け具合が日本の洋館に似てると思う。

入場無料なのはいいけど収蔵品自体はまったく興味を引かれるものがなく3分位で退場。で、門前にガム木を発見。
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今見返してみてもすげいな、マジでこっちの方がずっとアート。
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背景に物語すら感じさせる文字通りストリート作品、主張はなさそうだけど。

せっかくだから水道橋の端まで歩いてみようかと思ったけど、結構長いし意外と単調なんで途中棄権、聖母寺院へ。
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18世紀初頭竣工バロック聖堂の正面ファサードは、彫りが浅くすべっと案外淡白。
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対する内部はキンキラキンのメキシカンバロック。特徴的なのはピンクや水色を多用していること。
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より華やかで女子力高いがスモーキートーンなのでチープさは無い。美しいです。
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どこかにある谷間か洞窟、
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上に開いたわずかな隙間から漏れ落ちる光が照らす秘密の花園。

昼飯は近くのテラスがある店で。
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Naciónというモレリアのクラフトビールを頼んだらコレが激ウマなり。ホップの利いたIPAタイプ、最近多いけどマジ好きだー。
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Sopa Tarascaてスープが初めて食べる味ながら美味。レシピ検索してみると、豆、トマト、にんにく、玉ねぎ、チレなどを煮込んでクリームを加えたもののよう。
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メインはタコス。チチャロン(豚皮の素揚げ)ではなかったと思うけど、カリカリ食感の…何だったんだろう。寿司ゲタに乗ってくるてのは初めてだな。全体的に上品なメキシコ料理という感じでした。

夜はアプリで知り合った人と待ち合わせ。旅先で地元の人と手軽に出会えるのはとても便利、まぁ殆どマッチングすることないけど。Sergioさんはスペイン語教師として中国、韓国で長く暮らし去年メヒコに帰って来たらしい。
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異国で暮らした者同士、話が弾む。聞けばウルアパンの出身だとか。今回の旅で訪れたかった溶岩に埋もれた教会の近くだ。写真を見せてココに行きたいと言うと何度も行ったことあると。行き方を尋ねると暫し考えてガソリン代持ってくれれば車で連れてってやるよ、と。二つ返事でお願いした。ラッキー♪
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